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ビジネスライフ学科

街に出て学ぶ ~図書館の見学と街歩き~

司書課程の担当教員2年目を(なんとか)終えました。現場出身の教員として、教室での講義よりも図書館現場での解説の方が、自分が伸び伸びと楽しくやっていると何となく分かってきました。自らの学生時代、もともと学校があまり好きな方ではなかったのですが、大人(教員)になっても学外に出る機会がとても待ち遠しく感じるようになっています。このあたりのことについては、司書課程やゼミの学生の皆さんは、既に敏感に察知しているのかもしれません。

【汽車道からみなとみらい地区を臨む(横浜・桜木町)】

【国際子ども図書館(上野)を見学するゼミの1年生】

 昨年度はゼミの学外実地学習として、地元の千葉市中央図書館のほか、上野の国際子ども図書館(国立図書館)、千代田区立日比谷図書文化館、横浜市中央図書館などを見学しました。図書館見学のついでに、ちょっと足を延して周辺の博物館や美術館などの文化施設も訪問し、その合間には、皆でおいしい昼食をとる(茶話会)ことを常としています。上野では、精養軒でオムライスなどのランチを楽しんだ後、国立科学博物館に立ち寄りました。日比谷に行った際には銀座に寄って、有名(でお手頃)な洋食屋さんで昼食をとったのち、資生堂ギャラリーを見学しました。横浜の桜木町では、日本初の鉄道(新橋・横浜間)関連の車両展示に隣接するレストランでゆったりと食事や会話を楽しんだ後、みなとみらい地区で赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットをひやかしたり、横浜港の山下公園を散策したり、中華街で食べ歩きをしたりしました。

【精養軒のオムライス@東京都美術館(上野)】

【横浜市中央図書館を見学するゼミの2年生】

 司書課程の選択科目(図書館施設論)では、荒川区立中央図書館、佐倉市立佐倉図書館、八千代市立中央図書館などを視察してきました。荒川区の視察では、JR・京成・都電を乗り継いで「鉄分」を十分に補給するとともに、下町独特の食べ歩きも満喫しました。佐倉市や八千代市の見学では、移動する車内で食事をとる、という強行軍になってしまいましたが、とても有意義な内容であったと思います。開館間もない佐倉図書館の見学の後、川村記念美術館に寄りました。2025年3月31日で閉館の同館を何とか年度内に見られたのは、受講生にとってとても貴重な経験になったのではと感じています。図書館と博物館(美術館)の施設面での作り込みの違いを同じ日に現地で確認できたのもよい学びにつながりました。八千代市では、立ち寄った京成バラ園(植物園:博物館の一種)の花々が丁度見ごろを迎えており、学生の皆さんはスマホでたくさん写メしていました。

【資生堂ギャラリー(銀座)を訪問するゼミの1年生】

【見ごろを迎えた京成バラ園(八千代)】

 図書館・情報学(司書課程)は実学ですので、学生に何か教えるときには現場感をとても大事にしています。図書館の現地見学や、それに付随する文化施設訪問、ランチなどについて、授業時間にみんなで企画・検討し、スケジューリングなどを進めていくことそのものが、社会に出たあとにも役立つ力を培いうるものだと個人的には考えています。自らの経験を顧みても、学生時代に教わったことの大部分は社会に出た後に忘れ去っていることも多く、覚えているのは各科目の本題とはちょっと逸れた話だったりすることも少なくないようです。授業中の先生の雑談がその後の自分の人生に係る重要な内容を含むこともあったりします。一方で、自らの興味や関心、強い問題意識などに基づいた学びに関しては、社会に出た後も継続的にしっかりと内面に残り、更なる学びにつながる強い動機付けともなって、自分の在り方を規定し続けていくものなのではないかと感じているところです。

 

 学生の皆さんには今後も学校内外での様々な体験を通じた学びの機会に数多く出会って欲しいと願っています。

(by 叶多 2025.4.30(「図書館の日」に))