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ビジネスライフ学科

学外学習で新鮮な空気を~ゼミでの図書館見学~

 司書課程の担当教員1年目を(なんとか)終えました。振り返ってみると、上手くできたと手ごたえを感じられる講義もあれば、ぎこちなく進んで反省しきりの回もあり、今年度に取り組むべき様々な課題があることを少しずつ理解し始めています。そうした中、ゼミで実施した学外実地学習は比較的よくできた学びの機会であったと自分では評価をしています。コロナ禍で修学旅行や家族旅行などにもほとんど行けなかった今の学生には、ちょっとした見学の企画も、旅として、あるいは知識を得る機会として、とても貴重な経験であることが分かりました。

 学外実地学習としての図書館見学は、司書課程の前任の齊藤誠一先生(現名誉教授)から引き継いだものです。先生とは、公益社団法人日本図書館協会の図書館施設委員会でもご一緒させていただき、国内各地の図書館施設の視察を委員として数多く経験することができました。視察経験で得た様々な知見を学生に伝えるのは、自分に向いている分野であると実感しています。加えて、現役の職員としてではなく教員の立場で現地を見るという、今までにない視点から開ける世界も新鮮に感じられます。

 学生にとっては、ゼミ単位で集団としてワイワイガヤガヤと楽しく一緒に行動する経験も、得難いものであったようです。特に、それぞれの学生の、教室では見られなかった一面が垣間見られる機会があったことは、旅ならではの収穫として、学生にとっても教員にとっても実り多いものの1つであったと受け止めています。例えば、普段は周りからフォローばかりされている頼りない印象の学生が、集合時間に間に合わない学生を待つために自ら別行動して後で皆と合流すると瞬時に判断してその旨を私に伝えてきたことがありました。私や他のゼミ生によるこの学生に対する評価が、大きく塗り替えられることになった瞬間でした。

【国際子ども図書館:旧帝国図書館の重厚な佇まい】

 

 実際の見学そのものも充実したものでした。2年生のゼミで見学した国際子ども図書館は、戦前からある国の建築物(旧帝国図書館)であった点が、学生の印象に強く残ったようです。帝国図書館時代に貴賓室として使用されていた贅沢な内装の部屋に児童書が並んでいる様は、独特な非日常感を醸し出していました。美術館・博物館・動物園などが点在する上野公園で現地解散した後も、学生の皆さんはそれぞれ自由な時間を過ごしていたようです。

【国際子ども図書館を見学したゼミの2年生】

【鎌倉市立図書館見学の前に立ち寄った北鎌倉の円覚寺(ゼミの1年生)】

【鎌倉名物「腰越のシラス」を使った「シラスかき揚げ定食」】

 100年を超える歴史のある鎌倉市立図書館では、近代史料室の見学が、予定外ではありましたが、クライマックスでした。同室を急遽案内してくださったのが十数年振りに再会した旧知の大先輩であったことも驚きでしたが、戦前に内閣書記官長(現在の内閣官房長官にあたる職)を務めた人物のものとして図書館に寄贈されたサーベルや大礼服(たいれいふく:戦前に使用されていた宮廷服)を間近に見られた際には、皆が「マジか!」と思ったものです。私の渡した名刺をしげしげと見つめたその先輩は、「そうですか、先生になられたのですね」と言われた後、「『論語と算盤』ですか……そう、論語といえば、こんな資料(史料)もありますよ」と、図書館に寄贈された西田幾多郎(哲学者)の蔵書印がある論語の和綴じ本を皆に見せてくださいました(これに感動していたのは世代的に私だけだったのかもしれませんが……)。鎌倉駅で現地解散したのち、江ノ電に乗って江の島に向かい、地元のグルメを堪能したり、水族館ではしゃいだりと、学生たちはコロナ禍でなかなかできなかった自由を謳歌することが少しできていたようでした。

 

学生の皆さんには今後も色々な体験を通じた学びの機会に数多く出会って欲しいと願っています。

 

(by 叶多 2024.4.30(図書館の日に))