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2019.06.19 お知らせ 本学園 総合図書館の企画展示「コレクション展」開催期間延長のお知らせ

 4月8日より始まった本学園 総合図書館の企画展示「コレクション展」に高い評価をいただいています。6月8日の「読売新聞」には《貴重な書籍、今だけ公開》の見出しで、紹介記事を載せていただきました。
そこで、開催期間を6月22日(土)から7月6日(土)へと延長することにいたしました。ぜひこの機会に、歴史的価値の高い当館所蔵の貴重書コレクションをご覧ください。総合図書館の開館時間は、千葉経済大学ホームページhttps://lib.cku.ac.jp/をご覧ください。
【展示内容】
 スコットランド啓蒙主義を形づくった18世紀の思想活動で、ヒュームの代表作「イングランド史」、アダム・スミスに影響を与えたといわれるハチスンの「道徳哲学の体系」、ファーガスンの「ローマ共和国史」などを含む1700年代~1800年代に発行されたスコットランド啓蒙関係の書籍や、ベーコン、デフォー、ロックなどの著作を集めたイングランド啓蒙関係、また雑誌の意味で「magazine」という単語が使われた初期の文献である「Scots Magazine」の他、「グーテンベルク42行聖書3葉」(複製)や「カンタベリー」(複製)など、通常は閉架書庫に保存し一般には公開していない資料を展示しております。

図書館①

図書館②

図書館③

図書館④

図書館⑤

図書館⑦

 コレクションのきわめて高い学術的価値について、アダム・スミス研究の第一人者である本学の鈴木信雄教授(経済学説史、社会思想史)が、解説文を書かれています。
啓蒙期ヨーロッパの人文・社会科学原典コレクション展示に寄せて

千葉経済大学経済学部教授 鈴木信雄


 本学園の総合図書館には、千葉県の大学図書館はもとより全国の大学図書館においてもほとんど所蔵されていない文献を含む、18世紀スコットランド・イングランド啓蒙に関連する書物を中心として貴重な原典コレクションが所蔵されている。
 
 スコットランドでは、「北方のアテネ」と称せられたエディンバラやグラスゴウを中心に、18世紀半ば頃から後半にかけて近代化を目指す啓蒙運動が起こった。その主役であるスコットランドの知識人たちは、穏健なリベラリズムを特徴とするスコットランド教会の進歩的聖職者であると同時に、最先端の学問を積極的に取り入れようとしていたエディンバラ、グラスゴウ、アバディーンといった伝統ある大学の教授や学長であった。
 他方、イングランド啓蒙が存在したかどうかについては議論が分かれるところである。たとえば、ジョン・ロバートソンは、著書『啓蒙主義』において、「イングランドには見るべき啓蒙が存在しなかった」と述べている。とはいえ、啓蒙(Enlightenment)の原義は「光で照らされること」であり、「無知という暗闇」を「理性という光」で明るみに出すことにその本領があったとすれば、17~18世紀イングランドにおけるベーコンやロックなどの知的の営みも啓蒙の名の下に分類することもできないわけではない。
 
 啓蒙の主たるテーマは、人間学及び政治経済学の発展、社会進歩の歴史的考察、社会秩序への人間学の応用、つまりは、人間学、政治経済学、道徳(社会)哲学、歴史学に収斂するものであった。彼らの営みを通じて近代社会科学が成立していくとともに、近代社会そのものも確立していくことになる。詳細については、展示スペースに置かれた展示資料一覧などをご覧頂きたいと思うが、本学のコレクションには、啓蒙主義に与した=近代社会科学の確立に関わった錚錚たる顔ぶれの原典が所蔵されている。
 
 スコットランド啓蒙では、フランシス・ハチスンの『道徳哲学の体系』(初版)、デビッド・ヒュームの『イングランド史』(初版)、アダム・ファーガソンの『市民社会史論』、ロバート・ウォーレスの『古代および近代の人口』(仏訳初版)やモンボト卿やジェームズ・ボズウェルやサムエル・ジョンソンなどの著書も所蔵されている。また、イングランド啓蒙としては、フランシス・ベーコンの『著作集』(全7巻)、ダニエル・デフォー『イングランドとスコットランドの合邦史』、ジョン・ロック『寛容に関する書簡』(初版)などが所蔵されている。その他、マイクロフィルム版を除けば、日本の大学図書館ではほとんど所蔵されていない“The Scots Magazine”(1739-1826、全97冊)や、ジェレミ・ベンサム『著作集』(全11巻)なども所蔵されている。
 こうした原典蒐集は、市井の公立図書館とはその性格が自ずから異なる大学図書館の一つの重要な使命とも言える。一橋大学の古典資料センターのメンガー文庫のように、マイクロフィルム化など適切な方法を考えて所蔵資料を公開すれば、本学園図書館はスコットランド・イングランド啓蒙研究の一つのセンターになるであろう。

鈴木先生

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