知らないことを知る楽しみ

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幼いこどもは好奇心のかたまりみたいなもの。これは世間で良く語られていることの一つなのだろうと思います。

知らないもの・新しいものをみると、すぐに手を伸ばし、手にしたものを離してくれなくなります。そのうえ徹底的にやりつくすというか、布団から起き出た瞬間から、体力ギリギリの眠ってしまう瞬間までやり倒します。そんなときに人の好奇心のすごさを感じることになります。知らないこと・新しいことを知ることは根源的に楽しいことなのだろうなと。

ですが、成長するにしたがい、いつしかその気持ちが抜けていくようで。いつから、未知のものを見聞きしても興味を持てなくなるのでしょうか。そんなとき「大人は暇じゃないの」などと言われてしまったりもします。そうね、やっぱり忙しいとね、難しいよね。

ところで、担当しているコンピュータ概論の授業では、「オープンソースソフトウェア」「Linux」というキーワードを今まさに学習中です。身の回りで使われている技術であるにもかかわらず知名度は低く、今年の履修者には既知の学生はほとんどいません。簡単に説明すると・・・オープンソースソフトウェアはインターネット上にソフトウェアのソースコードを公開し開発する方式のこと。またLinuxはオープンソースによって開発されたOSのことで、サーバや身近な組み込み機器で利用されています。私たちはこうした技術の上で、コンピュータやインターネットを活用しているわけなのですが・・・こんな説明を読んでいる皆さんの多くも、学生と同じく「謎」な存在と映るのではないでしょうか。

教室の中では、そんな時に、すでに知っている知識とのつながりがないものを伝えなければならないときに、伝えることの難しさに頭を悩ませるのです。困ったなと。

好奇心に火をつけることができれば、学生は勝手に学ぶようになるといわれます。でもそれは、逆に言えば、未知のものに対してそれだけで興味を持つことは難しいといっているように思えます。ただ知識やスキルを伝えるだけでは不十分で、興味をも伝えなければならないのかと。

とまぁそんなことを考えたり経験したりしていたところだったのですが・・・先日、小学生のこどもに「それはキャンセルで」と同行を断られることがありました。そうか、おぬしも「暇じゃない大人」になり始めているのかとがっかりしたと同時に、いやいや、これではいかんと。

そこで、このブログを書いている直近の週末にも、新しいものに興味を持ってもらうべく、家族を連れて外出をしました。まずは、学校から少し離れた市川にある現代産業科学館。ここでは「100万ボルト(ピカチュウ10匹分)」の高電圧放電実験に参加し、放電時の爆音に全身が震えました。そして、よく目にする送電線に使われている「雷から送電線を守る技術」を知ってなるほどと感動したり。また、展示品の中にかつて世界一の処理能力を誇ったスーパーコンピュータ「京」の部品を見つけ、分解されたその姿に諸行無常を感じたり。

頂点を極めた存在も、最後はバラバラになっちゃうのだなと。さらに翌日には、学校近くの量子科学技術研究開発機構(QST)の見学会に参加。地下25mにもぐり高エネルギー粒子を発生させる「シンクロトロン・リング加速器」に(その秘密組織的な存在に)ワクワクしたりと。汗をかきながら、そんな体験をしていたわけです。どうだ、世の中こんなにすごいものがあるぞ!と。子どもたちは興味を持ってくれたでしょうか。

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そして、このブログ記事用にと撮影した写真を選んでいて気付くのですが、一番の笑顔で写っていたのは(そして多分こどものように一番はしゃいでいたのも)私だったようです。(by 江上)