幼稚園実習の思い出

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9月になりました。高く澄んだ空を見上げると、ほんの少し秋風が感じられるようになりました。

9月には、こども学科2年生の幼稚園での教育実習があります。

幼稚園での教育実習は1か月と長いですが、一緒に過ごす期間が長ければ長いほど子ども達との関係も深まります。

送りだす教員として、どの学生も充実した実習1か月を過ごしてほしいと願っています。

 

さて、私もウン十年前に学生だった頃、某大学附属幼稚園にて実習を行いました。

今日は、私の教育実習を振り返ってみたいと思います。

 

実習といえば、「緊張」がつきものです。幼稚園や保育園はまさに社会の場。

それまでの学生気分のままでは、実習生はつとまりません。

 

私も、子どもと楽しもうという気持ちで実習に臨んだものの、ガチガチに緊張していたと思います。

実習が始まった頃、砂場で子どもと遊んでいるところ、ふと見ると指導教官がニコニコと私と子どもが遊ぶ様子を観察しているではありませんか!

 

見られている!と思うと胸がドキドキして、動きがギクシャク……。

 

その後、大学に戻ってから指導教官にお会いし、「この間、緊張してた?」と言われました。

子どものことを学べば学ぶほど、保育者として自分はどうあるべきなのかを考えてしまい、自然な気持ちで遊ぶのって難しい……と思ったのでした。

 

ありのままに自然な気持ちで子どもと遊べるようになったのは、実際に幼稚園の現場で働きだしてからでした。

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ここで一つ、記憶に残っている実習中の子どもとのエピソードを紹介します。

実習に行くといつも園にはいない若いお姉さんが保育室にいるというだけで、子どもは興味をもってくれます。

よく覚えていませんが、私も子どもたちに「遊ぼう」と誘われるままに遊んでいたのだと思います。

そんな中に、Aちゃんという女の子がいました。Aちゃんは、外国に由来のあるお子さんで少し周りの子どもよりも大きくてしっかりした体型をしていました。

Aちゃんも私に興味を持ってくれていたと思いますが、内気な様子で打ち解けない日が続いていました。

ある日、私がテラスでしゃがんで子どもの靴を並べなおしていると、突然、誰かが背中に飛びついてきました。

私はその重さにバランスを崩してしまい、思わず「わっ、重い!」と言ってしまったのです。

振り返ってみると、そこにはAちゃんが立っていました。私はその時の表情が今でも忘れられません。

もしかすると、Aちゃんは他の子どもよりも自分の体が大きいことにうすうす気が付いていたのでしょう。

また、それが自分のルーツによるものであるということも、誰に教わるでもなく感じていたのかもしれません。

私がふいに何気なく発した「重い」という一言が、Aちゃんのやわらかい心のひだに突き刺さってしまったのです。

保育者が発する一言の重みを感じた出来事でした。

その後、Aちゃんにはたくさん話かけて関係を作る努力をした記憶があります。

 

実習に行って感じたこと、学んだことはたくさんありますが、ウン十年経っても記憶に残っていることはほんのわずかです。

そのほんのわずかな記憶に残る出来事が、保育者としての、人としての自分の生き方に大きな影響を与えています。

 

実習に行く学生たちも、これからそれぞれの実習園での体験を糧に成長してほしいと思います。

応援しています!!

(小倉 定枝)