国歌を歌って子をあやす人、校歌を聴いて語り合う人

爆弾で怯え泣く子をウクライナ国歌であやす地下壕の母 今西富幸

ウクライナの製鉄所の暗い地下壕で、爆音に怯えて泣く子を、国歌を子守唄のように口ずさんであやしている母。その映像を見て詠った短歌です。何とも切なくなってきますが、“温かさ”を感じることもできます。

どの国にも国歌があり国旗があって、人びとは誇り高く生き、授かった「いのち」を慈しんではぐくんでいます。

学校では児童も生徒も学生も、校歌を歌い校旗に目を遣りながら、母校愛を培っていきます。旧友と久しぶりに再会した同窓会では、「校歌」を皆で歌ってそのころを懐かしく想い起すものです。

私たちの短期大学にも素晴らしい校歌があって、歌い継がれてきています。

【若き日の命はつらつ 踏み平(な)らす千葉の広原 空高く風の音すみ 新たなる世界の動向(うごき)】<1番>、
【見はるかす海のかなたに そびえたつ富士は神山 ときじくの雪を被(かず)きて くもるなき日本のすがた】<2番>、
【培わん花の良識 鍛えなん創意のこころ 建学の基(もとい)忘れず 語り継ぐ母校の栄誉(ほまれ)】<3番>、

……うけとめて受けとめて 我らここに集い、学び、励む

千葉のひろはらに立地し、富士の雄姿を見はるかし、「良識と創意」の校是を胸に刻みながら世界の動きに刮目して学び深めていく、開学して54年、1万5千名の卒業生が社会に羽ばたいていっている本学です。

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6月のある日、この校歌を作詞してくださった志鎌正雄先生のご息女が来学されました。本学創立期の先生のご様子について、当時の写真をめくりながらお伝えしていると、校歌をまだ聴いたことがないとのことでした。さっそく楽譜をお渡しして、CDで校歌をお聴きいただきました。

若き学徒にご尊父が贈り届けた詩の世界を、メロディーに乗せて味わっておられるお姿は、感慨深いものでした。差し上げたCDを折にふれてお聴きになり、ご尊父と語り合う時間を楽しんでおられるのではないでしょうか。

(学長 佐久間勝彦)