20年前のカリフォルニア訪問

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現在、コロナ禍ということで国家間の移動に大きな制限があります。これと同じような状況として、20年前、2001年9月11日に起こった「9.11同時多発テロ」直後が思い出されます。私は、同年末、親族の住むロサンゼルスに家族旅行をしました。以下、この旅行にまつわる話です。

妻の伯父家族は仕事で長らく米国に住んでおりました。最初は数年のつもりだったようですが、現地に根を下ろした結果、子ども(妻にとっては従兄弟)がすっかりアメリカナイズされ、悩んだ結果、市民権をとったとのこと。これを一つの節目として、妻の両親と私の家族の7名でクリスマスから年末にかけてロサンゼルス郊外アナハイムの伯父宅に滞在することになりました。

伯父の仕事は広島県出身の浄土真宗の僧侶で、戦後、北米開教使として渡米し、米国仏教団本部事務局長となりました。昭和一桁世代ですから、戦争を、それも自身が被爆者として原爆投下を経験しております。親族の間では、アメリカ国籍をとることについては様々な意見があったようですが、戦後五十余年を経て最終的な決断を下したとのことでした。

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子どもへのサービスにアナハイムのディズニーランドに行ったり、ラスベガスまで車で往復し宿泊したりと、庶民感覚で滞在経験をしました。アメリカは移民によって成立した国で、外見もそうですが、それと同等か、あるいはそれ以上に、内面において様々な思いの人たちが、合衆国の国民として団結しています。訪問時はテロ後ということで、殊更そのことが強調される傾向がありました。かつての敵国民であった伯父家族も、その団結を誇りにしており、この旅行は私にとって、国家を考える新たな視点をもたらしました。

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一方、我が子等はこの経験からか、海外に出ることに何の違和感もなくなり、その後、勉強もせずに休み中にはあちこち海外をふらつく仕儀となりました。私のように理屈ではなく、面白い、楽しいといった肌感覚なのです。少しは世界の歴史を勉強して欲しいとは思うのですが、積極的になれるという点で若い時の体験は大切ですね。皆さんも、コロナ禍が一段落したら、思い切って本学の海外研修制度を利用してみてはいかが。(高木誠)