上海語学研修の思い出

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もう25年も前のことなので記憶が正確なものとは言い難くなってきておりますが、私の中国語学研修の思い出をほんの少し紹介します。20歳の夏、私は大学の外国派遣事業の一つである中国語学研修に参加しました。中国といっても広いですよね。北京、重慶、杭州などいろいろな地域がありますが、私の派遣先は上海でした。提携大学に派遣される事業であったためきちんとした学内選考がありましたが、見事(!)合格し派遣学生に選ばれました。と、言っても・・・、私の学部である商学部からはほとんど希望者がいなかったようです。派遣学生は、確か10名程度だったと思います。

私はこの事業に参加するまで海外には一度も行った経験がなかったので、期待に胸を膨らませながら出発日を待っていました。しかし、飛行機に初めて乗ることにひどく恐怖心がありましたよ。出発日当日、国際線ターミナルの地上スタッフの方に「この飛行機は安全でしょうか。部品はきちんと整備されていますよね。パイロットの方は問題ないでしょうか。」などと、大変失礼な質問を次々とぶつけていき、係員の方から苦笑されたことを思い出します。海外に行く経験が一度もなかったので、飛行機に乗ることが怖かったのです。その後は飛行機が大好きになり、長いフライトでも苦も無くいろいろな場所に行ったものです。中でもアルゼンチンは遠かったなあ~。12時間フライト(日本→トロント)+8時間フライト(トロント→チリ)+2時間フライト(チリ→ブエノスアイレス)=22時間を機内で過ごした記憶が。乗り換え時間を含めると、日本から到着まで30時間くらいかかった、と記憶しております。すみません、中国の話でしたね。

この派遣事業に興味を持つようになったきっかけについて。第二外国語の選択が中国語であったこともあって、中国の文化や経済にとても興味を持っていました。25年前の中国の経済は今ほど発展していませんでしたが、これから成長していくことが期待されていたので、この目で実際の中国経済の現場を見ておこうと思ったのです。上海は鄧小平の「社会主義市場経済論」において重点地域として開発されていたので、これまでの中国とこれからの中国を体験できるのでは、と大きな期待を持って派遣先に向かいました。上海に到着すると工事の音が絶え間なく聞こえ、ビルやらホテルやらがたくさん建設されていく様子を間近で見ることができました。沿岸部の開発は急ピッチで進んでいる様子で、これからの中国の発展を大いに予感させるものでした。実際、その後の中国経済は飛躍し、今や世界経済を牽引するほどの巨大な規模にまで成長しましたよね。

学校での中国語の勉強の話よりも料理の話を少々。毎日、朝から中華料理。近所の屋台のような場所での食事から始まり、昼・夜はお店で中華三昧。本場の味。あまりに美味しい食事であったので、毎日食べることが待ち遠しくて。上海近郊の「豫園」でショーロンポーを食べると、タケノコやお肉やらいろいろな具材を煮出したあつあつの中華汁が「じゅわっ」と口の中にあふれ出してきて、味覚を認識する口の中の細胞たちが大喜び。まさにミラクルなお味でした。その他の中華料理も全てパーフェクト。完全に打ちのめされました。同室で1か月ほど一緒に過ごした友人との出会いもかけがえのない宝物になりました。毎日一緒に中華料理を食べ、自由時間には一緒に上海近郊に出かけ、中国の政治やら経済やらについて熱く語り合ったことは一生忘れません。中国語を毎日丁寧に教えてくれた女性のチャン先生はお元気だろうか。歴史認識について、私のつたない中国語で議論したことが懐かしいです。

20代に経験した異国での経験は、その後の私の生き方に大きな影響を与えています。上海研修以降、いろいろな国に足を運び様々な経験をしてきました。その全ての経験が私の物事を考えるベースのようなものを形成しているのです。海外への旅や留学や語学研修などは全て、自分の成長を促してくれます。世界の状況が少し落ち着いた後で、ぜひ一度異国の地に足を踏み入れてみることをおすすめしますよ。 (by 栗田)

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