七夕の笹飾りに寄せて

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“天の川”を見たことはありますか。都心では人工の明りが多く、まず見ることはできないのですが、浜辺とか、山に登ったときには見ることができると思います。みなさんのところは、どうですか?

以前は、よくキャンプに行き、山の中で夜空を眺めることがありました。満点の星空の中に淡く、もやっとした天の川(銀河)の流れをよく見たものです。天の川にかかる星座、夏の大三角も有名ですね。

7月7日は、「たなばた(七夕)」です。天の川の両岸にある織女星(おりひめ、こと座のベガ)と牽牛星(ひこぼし、わし座のアルタイル)が、一年に一度会うことができるという“たなばたものがたり”にも興味がわきます。

そこで自宅の書架を探して野尻抱影著『星の方言集日本の星』(中央公論者、1973)を引っ張り出して「しょくじょ(織女) たなばた(棚機)-こと座-」の項目をみてみました。

「萬葉集の人麿、赤人、憶良などに七夕の歌が豊富にあることから考えて、牽牛織女の交會傳説と行事とは、奈良朝より以前に唐から傳来したことが判る。そして天神の娘織女に棚機を織る女を當てて、タナバタ(ツメ)と名づけ、時にオリヒメといい、牽牛には當てる名がないので、男の敬稱注1によりヒコボシと名づけた。それぞれ、こと座のα(ヴェーガ)と、わし座のα(アルタイル)と二つの一等星で、天の川を隔てて瞬きかわす印象が、中国の七夕傳説を生んだのである」(『星の方言集日本の星』より)

注1:「けいしょう」尊称の意

少し難しいですが、星座や星名を調べつくし、星の民俗学的研究、特に星の和名研究の第一人者である学者らしい解説かと思います。

さて、例年であれば学友会執行部がさまざまなイベントを考え、一年生を迎え、仲間づくりをしてくれるのですが、今年は新型コロナウイルスの関係で難しい状況が続いています。そのような中でエントランスに「七夕の笹飾り」が置かれました。願い事を書く短冊もあります。

saito エントランスホールの笹飾り

五色の短冊に願い事を書き笹竹に飾る風習は、江戸時代からあるようです。中国では、この日、女性の裁縫の上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」注2の習俗があり、それが日本に伝わりました。したがって、本来、願い事は、裁縫や書道の上達を願ったようです。

注2:中国における七夕行事のこと

ところで、みなさんは、中国の七夕伝説の内容をご存知ですか?牽牛と織女は、なぜ年に一度しか会えないのでしょうか。7月7日に雨が降ったらどうなるのでしょうか・・・?

エントランスの笹飾りといっしょに図書館にある「たなばた」の絵本を置いておきました。ぜひ読んでみてください。

自宅にある暦の今日(7月4日)の言葉は、「星明りが行くべき道を照らしてくれる」でした。みなさんに馴染みがあるのは、ディズニーの「星に願いを」でしょうか?

星に対する人々の思いは、ロマンチックですね。

さぁ、星まつりです。年に一度の星まつりに思いを馳せてみてください。

(by 齊藤誠一)