厳しい冬を耐えてこそ、花咲く春が・・・

神輿01

5月に入りました。新緑がまぶしい季節ですね。みなさん、お元気ですか。

ワクワクする季節ではありますが、ステイホームを守ってもう少し我慢しましょう。

さて、私の地元では、この時期に盛大なお祭が行われます。東京の府中市には、大きなお社(やしろ)があり、この時期に「くらやみ祭り」という例大祭が行われます。府中は、昔、武蔵の国の国府があったところで武蔵の国に点在する神社を集めた「武蔵総社」の地でもあります。

5月3日から5月6日まで、競馬式(こまくらべ)や22台の山車(だし)の巡行、また、5日から6日にかけては、このお祭りの最大のイベントである神輿渡御(みこしとぎょ)が行われます。昔は、この神輿渡御を夜中に行っていたそうです。提灯の光の中に浮かびあがる御神輿の姿は、荘厳で神秘的な姿だったそうです。「くらやみ祭り」といわれる所以です。今は安全を考えて午後6時から神輿渡御が行われています。

神輿01 神輿渡御

神輿02b 町会のこども神輿

私も御神輿を担いだりするのですが、当然、今年は中止となりました。とにかく人との接触を避け、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことが最優先ですから当然だと思います。

しかし、恒例となっていることが行われないのは、寂しいですね。

私は、自分のまわりにある年中行事を大切にしたいと思っています。日本の四季にあわせてさまざまな行事が行われています。元旦に始まり、節分、桃の節句、端午の節句、お盆、重陽の節句、十五夜、酉の市、そして大晦日・・・。

日本に生まれてよかった、この街で育ってよかったという思いを醸成してくれるのが年中行事ではないでしょうか。

毎年同じことを繰り返すのですが、そのことが私たちのアイデンティティー(自分らしさ)を形成する重要な役割を果たしています。何年もの間、引き継がれ、伝統として残っているものを大切にすることで「ふるさと」への意識が深まり、お国自慢や思い出として残るのだと思います。

このことを千葉経済大学短期大学部に置き換えてみたいと思います。「片手に論語 片手に算盤」という建学の精神があり、その精神を伝統として受け継ぎながら毎年さまざまなことが行われています。入学式、新入生歓迎会、クラブ活動、スポーツ祭、ゼミ合宿、とどろき祭(学園祭)、そして最後には卒業式が行われています。一つひとつが大学時代の思い出になり、この大学に来てよかったとなるのだと思います。

しかし、今年は、だいぶ厳しい状況ですね。思い出となる行事を行うことが困難になっています。

でもこの厳しい状況を乗り越えたことが、みなさんの大学時代の自慢になり、思い出になるのではないでしょうか。そのために先生方もメッセージを送ったり、ブログを書いたりして、みなさんに語りかけているのです。「オンライン授業が本格的に行われたのが、私の大学時代だった」という日がくるはずです。

さて、ここで一冊の絵本を紹介したいと思います。新入生にはじめて会う授業で必ず読む絵本です。それが恒例となっています。

その絵本は、『はなをくんくん』(ルース・クラウス文、マーク・シーモント絵、きじまはじめ訳 福音館書店)です。この絵本は、冬の間、冬眠していた動物たちが、ある匂いに誘われて起きだし、その匂いのするところに集まると、雪の中に一輪だけ黄色いお花が咲いているというストーリーです。モノクロで展開する絵本ですが、最後のお花のところだけ黄色く彩られています。のねずみやくま、やまねずみやリスたちが冬眠から覚め、「はなをくんくん」させながら匂いのところへ一目散。一輪の黄色い花を囲んで喜びあうのです。

寒く厳しい冬に耐えれば、必ずきれいなお花が咲く春が訪れる、そんな思いを込めてこの絵本を4月に読んでいます。

いまは、耐える時です。しかし、必ずきれいなお花が咲く時がきます。そして、例年のとおり、さまざまな行事が行えるようになります。その時まで一緒にがんばりましょう。(by 齊藤誠一)