シャネル『マドモアゼル プリヴェ展』を観て

1会場入り口の看板

世界を巡回するシャネルのクリエイション

2015年ロンドンではじめて開催され、その後、ソウル、香港、上海と巡回し好評を博したシャネルの展覧会『マドモアゼル プリヴェ展―ガブリエル シャネルの世界へ』がついに東京に上陸。2019年10月19日(土)~12月1日(日)まで、天王洲アイル-B&C HALLで公開され、11月28日(月)に行ってまいりました。

2クリエイション スタジオ入り口のドア

「MADEMOISELL PRIVE(マドモアゼル プリヴェ)」。それは、パリのカンボン通り31番地、4階にあるマドモアゼル シャネルのクリエイション スタジオの入口に掲げられた言葉。このドアを開けると、シャネルの創造的世界が広がっている。この企画は、まさにシャネルのクリエイションの真髄に迫るエキシビジョンです。

3ベージュのエリア

カラー毎の5つのエリアから構成

二つのフロアに分かれた会場は、ガブリエル シャネルのアパルトマンの部屋と、その色調をイメージした、ミラー ホワイト、ベージュ、ブラック、レッド、バロック ゴールドの5つのエリアから構成されていて、ホワイトのエリア以外は撮影自由でたくさん写真におさめることができました。

6ブラックのエリア

オートクチュールの作品を中心に、約100年前に誕生した伝説的フレグランス「CHANEL No 5」、1932年にマドモアゼル シャネルがデザインした「BIJOUX DE DIAMANTS(ダイアモンド ジュエリー)」の復刻版、ハイジュエリー、そして制作過程で描かれた作品の数々のスケッチなどが展示されていた。

8レッドのエリア

圧巻はオートクチュールの作品群

中でも圧巻は、何といってもオートクチュールの作品群。長年シャネルのアーティスティック ディレクターを務め、ファッション界の帝王とも称された故カール ラガーフェルドが手がけたオートクチュールの作品に、後任のヴィルジニー ヴィアールの最新の作品が加えられ、選りすぐりがピックアップされ展示されていた。

10バロック ゴールドのエリア

オートクチュールそのものを目にする機会がめったにない中で、ファッション界の最高峰とも言えるシャネルのこんなに凄いコレクションを間近に拝することができて、大変な喜びと興奮を禁じえませんでした。

12シャネルNo.5とハイ ジュエリー

メティエダールとサヴォアフェールの凄さ

シャネル特有の用語で「メティエ ダール(Metier d’Art 芸術的な手仕事)」、「サヴォア フェール(Savoir Faire 唯一無二のノウハウ)」という言葉があります。シャネルのオートクチュールを支えているのは、まさしくこうした言葉を体現する、ガブリエルが最重視したアトリエの職人たちの技術力です。

13制作過程のスケッチ

14会場入り口にて

例えば、ベージュのエリアの聖職者のローブをイメージしたロングドレスは、刺繍に2,200時間、アトリエで250時間の作業工程を経て制作されているとのこと。刺繍やビジューの精巧さを目の当たりにして、「オートクチュール(Haute Couture 高級仕立て服)」の何たるかをあらためて知らされる思いでした。

この展示会は、それぞれの作品を通じて、シャネルのメティエ ダール、サヴォア フェールの凄さをひしひしと感じさせられる展示会でした。一人の女性が生み出したクリエイションの魂をこうして受け継ぎ、時代とともに進化させているとは、なんと素晴らしいことでしょう。(by 中村 秀一)