オリンピック大会に向けて - セーリング競技について

オリンピック・パラリンピック東京2020大会まで、あと1年である。大学では授業などが両大会と重ならないように、来年度の学事日程の編成に今からひと苦労である。今回は学内の話題を離れ、夏、オリンピックの話をしたい。オリンピックは都内だけでなく千葉県、神奈川県でも各4競技が開催される。千葉外房の海岸ではサーフィン、神奈川の相模湾ではセーリングと海ならではの競技が行われる。
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                     会場風景
その中で神奈川県の江ノ島ヨットハーバーは1964年大会に合わせて整備された日本初の競技用ヨットハーバーの施設である。2020大会でもその施設を生かして、セーリング(ヨット)競技が江ノ島を拠点とする海域で行われる。本年8月25日から9月1日までの1週間、同所でセーリングワールドカップシリーズ江ノ島大会が開催されたので、競技の概要など簡単に紹介したい。
photo2 1964年大会の聖火台
セーリングワールドカップシリーズは世界の海を転戦しながら1年間に4大会(予定)を行うシリーズレガッタで、江ノ島ではここ3年連続の開催、今大会は約50か国から約600人の選手が参加予定とのことである。1964年大会の遺産のひとつに湘南の海沿いにレース観戦用などに作られた現在の国道134号線の道路があるが、今では陸上の望遠カメラなどから各艇の位置取りなどレースの様子が大型画面にリアルタイムで映し出され、居ながらにして解説つきでレースが楽しむこともできるようになっている。
レースはスタート地点から海面に置かれた3か所のマーク(ブイ)を決められた順序で、決められた回数回り順位を競うもので、風、潮流、波などの状態を見きわめて作戦を立て、さらに他艇との位置関係、位置取りなどの戦略・戦術を駆使しながらゴールを目ざしていくものである。風が弱いとレース(競技)自体が中止となるところは、陸上競技などとは反対である。4~5日間の予選レースと最終日の決勝レースの順位で得るポイントの合計で最終的な順位が決まるので、時々刻々変化する天候などの自然条件を的確につかみ戦略を立てることと、体力の両方が要求される競技といえよう。
photo3  ワールドカップ表彰式
オリンピック・パラリンピックは世界各国からの選手、観客の交流の場でもある。今回のワールドカップでは一部の選手は近隣の町にホームステイしての参加である。1964年大会のヨット競技では、強風にあおられて海に転落したオーストラリアの選手を、スウェーデンのチームが自分たちのレースを一時中断し約100メートル逆走して救助したというエピソードが残されている。来年の大会ではどのようなドラマが生まれるのか、楽しみにしていたい。(by 西川)