ゼミ紹介「日本経済を学ぶゼミ」

今回は本ゼミの紹介をしましょう。

わがゼミは、ゼミ参加者全員に、それぞれ、この1週間の主要な出来事を挙げてもらうことから始まります。それについて皆で話し合い、必要に応じて補足的な説明を行います。学生が新聞の切り抜きを持ってきて、それをもとに皆で議論をすることもあります。本日は、「ギリシャ危機」、「安保法制」、「冥王星の探査」などが取り上げられました。

ゼミ紹介「日本経済を学ぶゼミ」

 この後、N君が、総務省の「労働力調査」を資料に使い、「わが国の就業状況」について報告してくれました。以下、その概略を紹介しておきましょう。

N君の報告のテーマは、男女の就業状況の違いです。本年5月の完全失業率は男性3.6%、女性3.0%と男性の方が高い。長期的にもこの傾向は続いている。その理由は何かという問題です。

ゼミ紹介「日本経済を学ぶゼミ」2

 その理由は、完全失業率=完全失業者/労働力人口×100%の式にある。つまり、労働力人口が、大きいか、小さいかによって完全失業率は変わってくるからです。男性の場合従来の社会的な慣行に従えば、一家の稼ぎ頭として就業意思を持つ場合が多い。他方、女性の場合は、「専業主婦」という慣行的姿勢が根強くあり、その結果就業意欲は男性に比べれば低いといえます。また、雇用形態については、長期的に見ると男女とも正規雇用が減少し、非正規雇用が増加していますが、2014年では、正規/非正規の割合は、男性78.3%/21.7%、女性43.4%/56.6%であり、女性の非正規率が極めて大きい。この背景には、労働力人口の男女間での特性の違いがあると思われます。また、男性の「非正規雇用に就いた理由」の第1位が「正規雇用の仕事がない」であり、女性の第1位が「自分の都合のよい時間に働きたい」であることも、これに基づくものでしょう。

先生のコメント:「労働力調査」という一次資料に直接あたり、それに基づいて自分の頭で考え、レポートを作成するという姿勢は評価できます。ただし、N君が依拠した資料は「平成27年度5月分」という短期のデータなので、「労働力調査年報」などの資料を利用して長期的な分析を行うことが必要です。また、男女の就業状態を見る場合、わが国の産業構造の特色について合わせて考察してみることも必要です。たとえば、女性就業者の多い産業である、医療・福祉や飲食サービス業などの成長が著しく、建設や製造業など男性就業者の多い産業は、停滞の方向にある点など。(by 市岡)