ドイツ修養の旅ー柏木恭典先生とドイツ語クラブ紹介

2007年に生まれたドイツ語クラブ(旧「ドイツ語愛好会」)の「ドイツ・プロジェクト」は、「こども学(教育学+保育学+児童福祉)」を学ぶ熱心な学生たちと共に、ヨーロッパの伝統的文化や思想・哲学、そして教育学や保育学の最前線を学ぶ、ということを目的としています。
2年間の短い学生生活の中で、およそ1年半、ドイツ語を学び、ドイツ文化や思想を学び、共に語り合い、美味しいドイツ料理を食べ、また、学園祭ではドイツ料理をふるまい、最後にドイツを駆け巡る、そういう経験をしてきました。
昨年度の2年生は合計11人でした。卒業を間近に控えた2月に、全員、ドイツに行きました。これ自体、とても素敵なことです。そして全員無事に12日間の旅を終えました。この12日間で、何か1つでも人生の支えになるものが見つかっていれば、それだけで幸いです。

 (顧問 柏木恭典)


上:「笛吹き男」のお話で名高いハーメルンにて
下:もっともドイツらしい街ヴァイマールのマルクト広場で



学生たちが楽しみにしていたザイフェンの「おもちゃの村」


左:ハンブルグの中心をぬけて、インターナショナルな保育園へ  
右:ゲーテ通りにあるBabyklappe(赤ちゃんポスト)も訪問しました

[:×:] [:×:] [:×:]    [:×:] [:×:] [:×:]   [:×:] [:×:] [:×:]


2月13日(水) リューベックのアガペーの家を訪問 

《学生によるレポート》

「アガペーの家」とは日本で言う母子生活支援寮であり、ドイツで2番目に赤ちゃんポストを設置した場所でもある。
私たちは、このアガペーの家を運営するガルベさんとここで対面した。
私はアガペーの家で、子どもの幸せとは何か、母親とは何か、家族とは何か、たった数時間の見学と対談であったが、多くのことを考えさせられた。
少なくともガルベさんは、私たちとは全く違う視点から、母子の支援を考えている。子どもが生きる上で、本当の意味での幸福とは何かと考えたとき、血の繋がりでの幸せではなく、安心できる場所や愛される環境こそが、子どもが必要とする幸福なのではないかと考えさせられた。
ドイツには子どもだけの養護施設はほとんどなく、里親制度を使って新たな家族と共に暮らすことが常識となっている。
今までの自分であったら、「母親と暮らすことが子どもにとっての幸せである」と語っていただろう。しかし、血の繋がりこそが幸せにつながっているとは限らないということを、このドイツでの経験で知ることができた。
 「子どもにとっての幸せとは何か」と、自分に問いかけてみるが、その答えは出せない。ただ、アガペーの家で行っている「条件のない愛」を、子どもは求めている。ここで学び、考えた結果をもとに、今後の母子生活支援について考えていきたいと思う。
(本レポートを書いた学生は、この4月から千葉県内の母子支援施設に勤務しています。)

ガルベさんたちとの対話は2時間半にわたりました


左:崩壊から23年がたつ「ベルリンの壁」 さまざまな絵が描かれていました   
右:日本と韓国のポップカルチャーがあふれる「NEO TOKYO」

[:×:] [:×:] [:×:]    [:×:] [:×:] [:×:]   [:×:] [:×:] [:×:]


2月17日(日)  ブッヘンバルト強制収容所へ 
《柏木先生によるレポート》
僕のドイツ・プロジェクトは、いつも「強制収容所」で終わる。観光ではない学びの旅である以上、強制収容所の訪問は欠かせないと思う。
異国の地で、戦争の無意味さ、怖さ、愚かさを知る。そして、遥か遠い異国でありながら、現在の僕たちにも通じる問題。ナチスドイツの問題として考えるのではなく、戦争そのものの反省に向かうような経験。
このブッヘンバルト強制収容所は、ヴァイマール駅からバスに乗って最終駅、10kmほど離れた場所にある。この収容所はいわゆる「強制労働収容所」で、多くの捕虜たちがここで死ぬまで働かされていた。ロシア人が多く収容された施設だったそうだ。
森を切り開いて作った大きなスペース。どれだけ広いか。想像を超える広さだった。果てのない平原。どこまでも続きそうなほどに広い敷地だった。
僕の原点は、「2度と戦争を起こさせないという理性的決断を育てる」、ということ。「NO MORE WAR」は、臆病者の叫びではなく、人間の理性における冷静な判断であるということを喚起すること。
学生たちがどういうことを感じたのかは分からないけれど、「2度と戦争を起こしてはならない」という強い決意が芽生えてくれたら、幸いである。
教育や福祉にかかわる人間は、いかなる場合においても、戦争を肯定してはならない。子どもの命が奪われることは、何があっても認められない。そういう強い信念をもってこそ、ホンモノの教育者であり、保育者なのだと思う。 

ゼミでは全員が発表し、議論を行いました



左:ハンブルグの魚料理がおいしいお店にて
右:「Noodle House[:ラーメン:]」 ドイツでも柏木先生のラーメン探求はとまりません

旅を終えて、充実感あふれる最高の笑顔で!