研究室訪問 千葉弘明先生(保育実習担当)

 本学こども学科の保育コースでは、主として保育士・幼稚園教諭を目指す学生が学んでいます。
 保育士資格と教員免許状の取得にあたり、学生は講義や演習などといった学内での授業を受講し、勉強に励んでいます。
 その一方で、授業での学びをふまえつつ、保育・教育現場での実習も重要な学習の場となってきます。
 今回は、この実習について、保育コースの実習担当教員である千葉弘明先生にお話をうかがいました。

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――千葉先生は、本学ではどのような科目を担当していらっしゃるのですか?
千葉先生:「保育実習演習」、「保育実習指導1」、「保育実習指導2」、「こども家庭福祉」、「相談援助」など、保育士の職務に関わる内容と保育実習に関わる内容について担当しています。
――そもそも、保育士とはどのような仕事なのでしょうか。
千葉先生:保育士は主に保育所や児童養護施設などの児童福祉施設で子どもを「保育」する職業です。
保育士が接する子ども達は、保護者が共働きで日中養育できない状況にある子ども、あるいは何らかの理由で保護者と離れて生活している子どもです。
保育士は子どもが保護者と離れている間、保護者の代わりに子どもを「保育」します。
すなわち、保護者と離れて生活している子どもにとって保育士は「親代わり」といった存在です。
――保護者に代わり、「親代わり」として子どもに接するのが保育士ということですが、学生さんはまだ「親」を経験していませんよね?
千葉先生:みなさんにとって保護者とはどのような存在でしょうか?
人によって捉え方は様々だと思いますが、多くの人にとって保護者とは甘えることができ、いざという時に頼りなる「安心できる存在」なのではないでしょうか。
「親代わり」としての存在の保育士は、子どもにとって、まさに「安心できる存在」であるべきだと考えます。
したがって、私は子どもにとって「安心できる存在」である保育士を育てたいと思っています。
――子どもたちが「安心できる存在」であることが、まず何よりも保育士には求められるわけですね。
さて、保育士を目指すにあたり、学校での授業に加えて、保育実習で学ぶことが求められます。
実際に保育士を目指す学生を指導する際に心がけていらっしゃることはどのようなことでしょうか。

千葉先生:実習指導では、保育所などの現場に入って保育を実践するうえで必要なこと、学ぶべきことを中心に指導しています。
学生にとって保育実習は、実際の保育現場で保育を体験するばかりでなく、初めて大人として社会を経験する場でもあると考えています。
そのため、実習指導では保育で必要な知識・技術だけでなく、社会人として必要な立ち振る舞いなども含め、総合的な指導を行うことを心掛けています。
――保育士という職業に固有の問題だけではなく、一職業人・一社会人として身につけておくべきことについても指導なさっているのですね。
「社会人としての保育士」であることは、子どものみならず、保護者の信頼を得るためにも見過ごせない大切なポイントですね。
それでは最後に、千葉先生が保育者を目指す学生に期待する点についてお教えください。

千葉先生:保育を実践するための重要な要素の一つとして、子どもを理解する能力が保育士には求められます。
子どもを理解するためには、多くの子どもとの関わりのなかで一人ひとりの個性や発達を把握する力が必要です。
例えば、保育士に何か伝えたいのに言葉でうまく説明できない子どもには、子どもが何を言わんとしているのか保育士が代弁するなどして子どもの気持ちを察して援助しなければいけません。
それを実践するためには、常に子どもの個性と発達の把握に努め、子ども一人ひとりの表情や行動に目を向ける姿勢が必要です。
ですから、学生には子どもの一挙手一投足に興味関心をもって、積極的に子どもと関わる姿勢をまずは身につけ、実習で多様な経験を獲得してほしいと思っています。

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 来月初旬には1年生が1日参観実習として保育現場(今回は幼稚園)に、中旬には2年生が保育所実習・施設実習に行きます。
 保育者としての自分をあらためて自覚し、一人ひとりがより多くの学びを得ることが期待されています。