アーカイブ 新入生に語る

 先日のこのコーナーでもご紹介した「新入生に語る」、そこではこども学科の新入生と全専任教員が対面し、各教員から入学を歓迎する気持ちとおもいおもいのメッセージが伝えられました。
 みなさまからのご要望にお応えし(!?)、今日はその内容をちょっと
だけ[:love:]お目にかけましょう。


内山隆先生
 4月5日に山崎直子さんをのせたスペースシャトルが打ち上げられました。暗黒の宇宙空間の中で見える地球は生命にあふれるかけがえのないものです。皆さんは、生命を様々な角度から学んでゆくと思いますが、生物学では生命の成り立ちを考えます。生きている物質Living matterと呼ばれる私たちの生命を構成する物質、その物質は生命を越えて存在しますので、その時間を考えると生命としてのまとまりはほんの一瞬の出来事かもしれません。
 子を抱き、子は母にしがみつく、この関係は2億年前に始まりました。ずっとあとに母の認知によって父が誕生します。父が誕生したのが500万年前だとすると、母の40分の1の歴史しかありません。生命がよりそい、組織化され家庭を築くまでになりました。私たちの現在が生命の歴史の上に成り立つ事を考えてゆきます。
今日は、サクラが散り始めています。西行の「風に散る花の行方は知らねども惜しむ心は身に止まりけり」の歌を添えてしめくくります。

磯村陸子先生
 皆さんのほとんどが、教師・保育者になるために学ぶこと、免許や資格を取得することを目的として本学へ入学されたと思います。入学直後から次々とそのための実習や就職活動など「先の話」を次々にされて、なんだか急かされているような気がしている方もいるかもしれません。
 確かに短大の2年間は短く忙しい。目の前にやってきた出来事や物事、時には人との関係に対してまで、それが自分に「要る」か「要らない」かを判断して、「要る」ものだけを、手際良く身につけたり処理したりというようなことを要求されるところがあります。大事な目的や時間を守るために、そうしたことに習熟していくのはある程度、必要なことなのだろうと思います。けれど一方で忘れずにいてほしいのは、今の自分が「要る」と考えるもの、「要る」とわかるものの中でだけで過ごしていても、今の自分を越える何かは起きないかもしれないということです。そもそも、「要る」「要らない」という考え方だけでは太刀打ちできないこともあるかもしれない。どこかに、「要らないかもしれない」ものを置いておく場所、「まあともかく付き合ってみるか」「要る・要らないは保留」という、ある意味いい加減、ある意味寛容な気持ちを持ちつつ、物事に触れてみてくれたらなと思っています。
 言っていることが、なんだかよくわからないでしょうか?まあともかく、付き合ってください。

横山洋子先生
 ご入学おめでとうございます。
 私は、幼稚園で12年間、小学校で5年間、担任として子どもたちと暮らしてきました。本学では1年生の「言葉指導法」や、2年生の「幼児理解」などの授業を担当しています。
 子どもは、まわりの大人の言葉を聞いて言葉を覚えていきます。ですから、どのような言葉で子どもに話しかけるかということが重要な問題となります。みなさんは、どんな言葉を使っていますか?命令口調、乱暴な言葉、流行言葉ばかりでは、言葉が育たないばかりか、健全な心も育ちません。幼児期には「気持ちよい言葉」と「耳障りな言葉」を感じ分けるセンスを育てることも大切です。
 みなさんは、将来、子どもたちの前に立ち、教え導こうとする方々ですから、どうか、美しい日本語を話せる先生になってください。今から心がけて美しい言葉を使ってください。期待しています。


横山先生は「♪いっぽんといっぽんで おやまになって~」の手遊びも教えてくださいました。皆さんもご存じですよね? 「[:音符:]1本と5本でたこ焼き食べて~」と2番の食べものシリーズになると、会場から笑い声が聞こえました。
吉村香先生
 トリノオリンピックが開催されたのは、今から4年前の冬でした。スピードスケートの500メートルで金、1000メートルで銀のメダルを獲ったチーク選手は当時26歳でした。彼は自分が手にした米国オリンピック委員会の報奨金を、難民の子どもを助けるため慈善団体へ寄付すると報道され、話題になった人でもあります。「スケートは愉しいし、愛している。だが正直なところ、少し馬鹿げているように思う。タイツをはいて氷の上を滑るために、一生を費やすなんて」と記者会見で発言したチーク選手が、私の記憶に鮮明に残っています。彼はさらに「でも僕は、スケートが速いおかげで、寄付を集めたり、世界のいろいろな問題に目を向けてアクションを起こす影響力をもつことができた。」そう言いました。
 一つのことに全身全霊で取り組むことは、時に偉大な功績をもたらしますが、ふと冷めた目でその姿を眺めると、馬鹿らしいとも思えます。そんなことをして何になるかと思えば、それまでのことです。しかし、その一つのことで力をつけた結果、他の様々なことでも影響力をもつことができる。世界中のセレブリティといわれる人々の中に、慈善活動を行う人が多く含まれているのも、このためです。
 それをして何になるかと馬鹿にする前に、とにかく本気で取り組んでみましょう。一所懸命やった先に何がみつかるか、それはおたのしみでいいじゃありませんか?

佐久間美羊先生
 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。佐久間美羊と申します。
 初教コースでは社会科関連の科目、保育コースでは1年次の保育演習、2年次の英語コミュニケーション、そして両コース共通で社会学の授業を担当いたします。
 どの授業を行う時でも心がけていることをお話したいと思います。
 昨今の経済状況・政治状況で、皆さんも社会に対して不信感を抱いているかもしれません。「change」と言ってオバマ大統領も民主党も政権をとったのに、世の中大して変わらないではないか、と思っているかもしれません。
その「change」にまつわる引用を一つ紹介したいと思います。
「You must be the change you want to see in the world.」
(あなた自身が、この世で見たいと思う変化とならなければならない。)
 かの有名なインド独立の父ガンディーの言葉です。皆さんはこれから子どもから大人へ、学生から職業人として成長していきます。自分はどのようにchange、変わっていったらいいのかを考え、まずは自分が変わる必要がある。そうしていくことで自ずと自分の周りも変化し始め、また、自分が世界・社会を見る目も変わってくると思います。そして、どのような社会にしていきたいのか、ということが見えてくると思います。
 私は授業の中で新しい物の見方、を皆さんにご紹介していきたいと思っています。そして私自身も皆さんと関わる中で変化し、成長していきたいと思っています。2年間よろしくお願いいたします。

 松田清美先生
 私の甥が、当時4歳ぐらいだったでしょうか、おばあちゃん(私の母)のうちに遊びにきていたときのことでした。おばあちゃんのうちにあるものは彼にとって何でも珍しく、いろいろなものに触っていました。その中で私の冬物の毛羽立ったようなピンクの帽子を気に入ったようで、しばらくの間、かぶってポーズをきめていました。しばらくすると突如、彼は帽子を足元に置き、置いた帽子の中に自分が立って、手を羽のようにばたつかせながら「ぴよぴよ」と言いました。帽子を鳥の巣に見立て、鳥のまねをしたのです。おばあちゃんと私は大笑いしましたが、彼の母(私の姉)はすかさず「何やってるの! お帽子を踏んじゃダメでしょ!!」と叱責しました。
 彼は今小学校の高学年になり、あの時のように鳥のまねをしたりすることはありません。人には長い人生のある一時、まねやふり、ごっこ遊びをさかんに行う時期があります。そのような遊びの中で、子どもはどのようにイメージを湧かせたり、考えたりするのでしょうか。大人と同じ点もあれば、子どもに特有の点もあるかもしれません。また、帽子に足を入れて鳥のまねをしたことに対して、彼の母と、私やおばあちゃんは全く違うリアクションをとりました。それは何故でしょう。さらに、これらの大人のリアクションが子どもにはどのように影響していくのでしょう。
 子どもについて、保育について、いろいろな角度から一緒に考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。